未来はこの手の中に

君がステージに立ってくれる限り

タイタニックを観て

 

※映画のネタバレばりばり含みます※

 

人生初タイタニックを視聴してあまりの感動に勢いのままブログ書き始めたぞ。

 

今まであらすじはなんとなく知ってて、船の上の例のアレとか最後はレオナルド・ディカプリオ助からないんだよねーみたいな。ほんとざっくりしたのしか知らなくて。

もっと早く観ればよかった。

 

まず驚いたのは現代のローズの視点から描かれていること。この映画における大きなテーマの1つがローズの人生なんだと。

 

そしてTHE恋愛映画だと思っていたのですが、どちらかといえば「生きるとは」「身分とは」って視点で見たほうがしっくりくる映画だったのも意外だった。

 

偶然2人が巡り合って自然と恋に落ちるところは勿論ロマンティックで、2人の美しさも相まってうっとりするけど幸せそうであればあるほど後に起こることを思うと切ない。

 

沈没し、海に投げ出されたジャックとローズ。必死に見つけた壁にしがみつき救助を待とうとするジャック。ローズを乗せたあと自分も乗るとバランスが崩れたのを見てローズだけを乗せたジャック。ここで2人の運命が決まる。

ジャックも生き残れた説が長年唱えられてるらしい。たしかにそんなifを考えてしまうくらいジャックは魅力的で、どうにかこのまま2人がNYに辿り着く未来を願ってしまった。

 

メンズ校のワンシーンで長尾くん演じる花井ちゃんが「ジャックは1回バランスを崩したから諦めちゃったのかー」って言ってたのがずっと頭に残ってて(今回この映画をみようとなったのもこのシーンをちゃんと理解したかったのがデカイ)

たしかにそう言われてみればもう少し試行錯誤したら生き残れる道もあったのかもしれない、、、。けど実際あの場面に出くわして大切な人に生き延びてほしいって願うなら自分が無理に乗って危険値を増やすより、ローズ1人を乗せた方が確実なんだよな…。

たった4日間(5日か?)の出来事だけどきっとジャックとローズは生涯忘れられない時間だろうし、永遠にも感じてたかもしれない。

「人生は贈り物だと思ってる」と言ってたジャックが自身の人生を犠牲にしてでも願ったローズの人生。

 

救助のボートが来たとき、ローズは一瞬このままジャック共に沈む未来もよぎったはずなんですよ。一度目を閉じて、ジャックとの約束を思い返した。ジャックの約束がローズを今まで生かしてきたんだと思うと、、、。低体温症でローズを見守りながら息絶えたジャックを己の手で沈めたローズが覚悟を決めて笛を鳴らす表情、言葉にならんものがあったな。

 

その後ローズは傍から見れば幸せそうに暮らしてただろうし、実際子供や孫に恵まれてきっと幸せを感じながら暮らしてただろうけどあの地獄の光景を見て愛する人を失って、海の底のような冷たくて暗い気持ちと常に向き合ってたことだと思う。

結局人の気持ちなんて、見てくれだけじゃわからない。人の生涯を他人がどうこう言うものじゃない。トレジャーハンター達がタイタニックの事件を初めは軽々しく考えていたように、自身が体験しないことには物事を深く捉えようとはなかなか思えない。この第三者の目線も加わってることもタイタニックの映画の大きな魅力かもしれない。

 

オープニングのポーカーのシーンでジャックが「さぁ誰の人生が大きく動くかな」ってセリフ、皮肉で切ない。あの人達が負けて人生助かったのかと思うと何が起こるのかわからないのが人生だなーとつくづく思う。

 

タイタニックの設計者アンドリューや、船長、モーリス夫人、ジャックとローズ以外にも乗客全員それぞれの人生がタイタニックに乗っていて、そんな船が突如沈没した悲劇。どこかで物語のように捉えてしまっていた気持ちもあったけど、これは本当に起きた悲劇で、二度と起きてはいけないもの。

 

悲劇は繰り返してならないからこそ、知るべきだと改めて痛感した映画だった。